花農家の熱量に惹かれて。生産者を増やすために、窓口を広げ続ける 日光園藝 / 栃木県日光市|花の仕入れを簡単に。花材の卸通販|ハナイチ

花農家の熱量に惹かれて。生産者を増やすために、窓口を広げ続ける 日光園藝 / 栃木県日光市

公開日: 2026-08-03

栃木県日光市で花を育てる日光園藝の代表・飯島太陽さんは、家業である農家を継ぎながら、ご自身の代から花の生産に挑戦。
花屋からのリクエストには「まず一回やってみる」の姿勢で応え続ける一方で、花業界全体を盛り上げるために、農業の初期投資を減らす仕組みや、新しい産地づくりにも取り組んでいます。

 

▶︎ 日光市木和田島に広がる日光園藝の圃場

 


ダリア、ケイトウ...季節の彩りを幅広く届ける

今回、日光園藝を訪ねたのは夏の日。ピンク、オレンジ、紫、鮮やかな色彩の花々が目に飛び込んできました。ダリア、ケイトウなど、その時々の旬の花が、農園に彩りをもたらしています。

夏の厳しい環境の中でも、飯島さんが花を大切にしている姿勢が、ひとつひとつの花の状態から伝わってきます。

こうした幅広い品種が生み出されるのは、花屋からのリクエストを大切にする姿勢があるからこそ。「まず一回やってみる」という気持ちで、様々な花に向き合う日光園藝。その結果、季節ごと、年ごとに異なる花たちが育てられているのです。

▶︎ 夏の日差しの下、伸び伸びと育つダリア。色味が美しい

▶︎ 飯島さんの一番好きな花であるガーベラの生産もスタートしたばかりとのこと。嬉しそうに話す飯島さんの姿が印象的でした

 


花屋の声を聞いて、まず一回やってみる

日光園藝の品種選びの軸になっているのは、花屋からのリクエストです。どんな品種を頼まれても、無理だとわかっているもの以外はまず作ってみる、それが日光園藝のやり方です。花づくりを始めた当初は、試しながら育てる品種が100種近くにまで広がったこともあったといいます。そこから少しずつ品種を絞り込みながら、今の栽培体制ができあがってきました。

すべてが定番になるわけではありません。育てにくく手間がかかる品種もありますが、「要望があるから」と生産を続けているものもあります。花屋からの「これが良かった」という声が、次に何を作るかを決める大きな判断材料になっています。

▶︎ 花屋からのリクエストに応えながら育ててきた、色とりどりの花たち

 


花づくりの秘訣は、一緒に働く人への感謝

花づくりで大切にしていることを尋ねると、飯島さんから最初に出たのが、技術や品種の話ではなく、一緒に働くスタッフへの感謝でした。「一緒に働いてくれる人たちを大切にしたい。まずは内側の人を大切にすることが、結局は良いものを届けることにつながる」という考え方です。

訪問時にお話をしたスタッフの方々からも、働きやすい職場だという声がありました。3年近く働いているというスタッフさんにその理由を聞いたところ、飯島さんと奥様の翔子さん、お二人の人柄の良さが一番の理由とのこと。

お二人の仲の良さも印象的で、翔子さんはフラワースタンドなどの装花制作も手がけており、その活動が日光園藝の窓口をさらに広げているように見えました。

▶︎ 飯島さんは生産、翔子さんは制作。それぞれが得意な形で花に関わり、役割を分担しながら事業の幅を広げている

 


花農家の熱量に惹かれて

飯島さんが花の道に進むと決めたのは、自らの意志でした。元々はお父様が米農業をしていた土地で、花づくりをすることを決意。その面白さに引き込まれていき、やがて「絶対に花で行こう」と心を決め、経営の軸足を花へと移しました。

花農家に入ってみて感じたのは、この業界で働く人たちの熱量の高さだったと言います。「花農家の人たちは癖が強いんですよ(笑)。でも花への愛が強くて、自分が作っているものへの想いがすごい」と飯島さんは話します。

一つ何か質問をした時に何倍もの熱量で語ってくれる生産者が多いことに驚かされたといいます。自分が作るものに誇りを持ち、それを惜しみなく語り合える。また、みんな花が好きだから、困ったときに相談できる。みんなそれぞれの知恵を絞って助け合おうとしてくれる。そんな空気こそが、花農家を本当に良いものだと感じる理由だと話します。

飯島さんご自身も他の生産者さんと話すのが大好きで、月の半分ほどは自ら他産地を訪ね歩き、栽培のヒントをもらったり、逆に相談に乗ったりする関係を築いています。そうした生産者同士のつながりが、花業界をより良くしていくのだと飯島さんは考えています。

▶︎ 花以外の農家のことも知っているからこそ、花業界の独特の空気感に魅力を感じている

 


生産者を増やすために、窓口を広げ続ける

日光園藝が今後力を入れたいと考えているのが、花農家を始める人を増やすことです。「花農家は、始めるハードルがめちゃくちゃ高い」と飯島さんは言います。設備や土地への初期投資が大きな壁になっているため、農園の土地や機械を共同で使える仕組みを作り、興味を持った人が期間限定からでも花づくりを始められる環境を用意したいと考えています。

その姿勢は、日光園藝自体の事業の広げ方にも表れています。仏花の販売のほか、千葉に構えた拠点では現地のスタッフへリモートで指示を出しながらバラの加工や仕入れまで担うなど、一つの拠点にとどまらない事業展開を進めています。

飯島さんは生産だけでなく、仕入れ、制作、加工、発送まで非常に幅広く手掛けているのです。

▶︎ 未来の生産者を育てるために、窓口を広げるための取り組みを行っている

 


フローリストへ:ダリアを扱うときに知っておきたいこと

ダリアは、見た目以上に手間のかかる花です。日光園藝では、花をきれいな状態で届けるため、つぼみを一つひとつ丁寧に取り除いています。つぼみが開いた花に触れると花びらに傷がついてしまうため、この作業が欠かせません。

加えて、虫食いや傷みがないかも一輪ずつ確認しながら選別を行っています。実際に見ると、その作業量の多さがよく分かります。

私たちフローリストのもとへ届くダリアは、このような丁寧な管理と選別を経て届けられているのです。

▶︎ 綺麗に咲いた花が傷付かないように、つぼみを一つひとつ取り除く

 


最後に:花産業を盛り上げるため、新しく生産を目指す人たちの入り口をつくる

栃木県の他の生産者からも「栃木の若手のホープ」と呼ばれている飯島さん。訪問も快く受け入れてくださり、私たちのさまざまな要望にも丁寧に応えてくださいました。目の前の相手に真摯に向き合う姿勢から、一緒に働くスタッフから「働きやすい」と言われる理由が伝わってきます。

花の生産は、季節やイベントによる需要の変動が大きく、近年は異常気象の影響も重なって、働く環境は年々厳しさを増しています。そんな中だからこそ、日光園藝ではまず一緒に働く人たちを大切にすることを大切にしています。

さらに印象的だったのは、その先に「花産業を盛り上げるため、新しく生産者を目指す人たちの入口をつくる」という取り組みにも挑戦されていることです。生産だけでなく、販売や加工といった領域にも積極的に取り組む。その広い視野と挑戦を続ける姿勢が、日光園藝の強さにつながっているのだと感じました。

 ▶︎ 花とも人とも全力で向き合う日光園藝のお二人

 


 

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FARMER'S PROFILE

日光園藝(にっこうえんげい)

所在地:栃木県日光市 主な栽培品目:ダリア・デルフィニウムほか季節の切り花

🔗公式サイト
nikko-engei.studio.site

🔗インスタグラム
https://www.instagram.com/nikko_engei/

 


WRITER'S PROFILE

フローリスト:MIU

新卒で入社した大手IT企業から花屋へ転身。フローリストとして修行を経て、現在は株式会社Domuzにて花の卸サイト「ハナイチ」の商品企画や仕入れに携わる。好きな花はクレマチス『水面の妖精』。