ユーカリは枝先の切り込みがカギ|花屋・レッスン向け水揚げガイド
ユーカリは花屋で、花束・アレンジメントのグリーンとして重宝されているだけでなく、レッスンの教材や装花のアクセントとしても扱う機会の多い花材です。
一方で乾燥に弱いユーカリ。他の花材と違い、茎が木質化(下の方から徐々に茶色く硬い皮に覆われていくこと)しているため、切り口をそのままにしておくと吸水が追いつかず、水に漬けているのに葉からしおれてしまうことがあります。
・枝先に切り込みを入れて吸水面を増やす
・水は花瓶の7〜8割ほどの深めを目安にする
・水替えは最低でも2日に1回、切り戻しは3日に1回
というのがユーカリを長持ちさせる基本です。一つひとつの理由が分かっていると、お客様や生徒さんへの説明にすぐ使えます。
仕入れ直後にまずやること
STEP1:不要な葉を取り除く

水に浸かる位置の葉を取り除いておきます。ユーカリの葉はハサミを使わなくても、下向きに軽く引けば簡単に外れるものが多いです。
葉を水に浸けたままにすると腐敗して水が汚れやすくなるうえ、葉数が多いほど蒸散量が増えて水切れも早まるので、下処理の段階でしっかり減らしておくのがポイントです。
STEP2:枝先に切り込みを入れる

切り口に十字の切り込みを入れます。木質化した枝は草花に比べて水を吸い上げられる断面がもともと狭いため、切り込みで吸水面を広げます。

枝が太くて切り込みを入れにくいときは、先端を軽く叩いて繊維をほぐす方法でも代用できます。
STEP3:深めの水に生ける
処理をした枝は、花瓶の7〜8割ほどまで水を入れた深めの状態で活けます。ユーカリはもともと吸水力が弱いため、水位が浅いと水切れを起こしやすく、そのまま放置すると葉先からしおれてしまいます。
葉先がしおれたユーカリはこのような姿になります。
日々のお手入れ

置き場所は涼しく風通しの良いところを選び、エアコンの風が直接当たらないようにしてください。温度が高い場所ほど傷みが早まるため、涼しさをキープできる場所を選びます。
水は毎日、難しい場合でも2日に1回を目安に替え、花瓶についたぬめりもスポンジで洗い流しておくと水が汚れるペースを遅らせられます。
切り口は乾くと吸水力が落ちてくるため3日に1回程度を目安に切り戻しを行い、ぬめりや変色が見られる場合は3日を待たず、その都度切り戻してください。また、切り戻しの際も切り込みを入れてください。
シーンごとの注意点

店頭で扱う場合
ユーカリはグリーン材として長期間店頭に置かれることが多い花材です。水が減っていないか、切り口を触ってぬめりがないかを毎日チェックすると、ロスを抑えやすくなります。また、余った分はそのまま逆さに吊るしておくだけで簡単にドライフラワーになるため、生花とドライの両方で販売できます。
レッスン教材として使う場合
レッスンでは、切り込みを入れる工程自体を「木の枝ならではの水揚げ」として説明に使えます。花束にもアレンジメントにも重宝しますし、また、生花とドライの両方のレッスンで花材として取り扱うことができます。
装花(ブライダル・イベント)に使う場合
装花のグリーンとして使う場合、本番前日までに仕入れる分は、搬入前にもう一度切り込みを入れ直しておくと本番までコンディションを保ちやすくなります。まとめて大量に使う場合は、枝の太さによって水の上がり方に差が出やすいため、状態を見ながら個別に管理するのがおすすめです。
豆知識

春〜夏にかけて出回るユーカリは、柔らかい新芽が多いため、水揚がりが悪くすぐに乾燥しやすいです。そのため、新芽は取り除いて使ってください。
また、ユーカリは生花として観賞したあと、水から取り上げて逆さに吊るし、風通しの良い場所で乾かすだけでドライにすることができます。特別な薬剤や道具を使わずに生花からドライへ移行できる点がユーカリの特徴で、生花として販売・利用できなかったとしてもドライ花材として活用することができます。
よくある質問と答え方

Q. 茎にぬめりがある場合はどうすればいい?
A. ぬめりがある部分を水で洗い流します。ぬめりは手でこすることで落ちます。ぬめりが気にならなくなるまで洗い流してください。
Q. 葉がしおれてきた場合はどうすればいい?
A. 切り戻しをしたうえで枝先に切り込みを入れ直し、深めの水に浸けると回復することがあります。それでも改善しない場合は、枝を短くしてもう一度同じ処理を行ってください。
Q. 葉がポロポロ落ちてしまうのはなぜ?
A. 乾燥や水切れが主な原因です。水位を保ち、直射日光やエアコンの風が直接当たる場所を避けることで進行を遅らせやすくなります。
Q. 新鮮なユーカリはどう見分ける?
A. 葉に厚みとハリがあり、色つやの良いものを選びましょう。葉が薄く乾いた印象のものは、水切れしやすい傾向があります。
Q. レッスンで生徒さんに持ち帰ってもらう際、注意点は?
A. 枝先を濡れたペーパーで包んでから持たせ、帰宅後はできるだけ早く切り込みを入れ直して深水に入れ直すようお伝えください。
Q. 装花で搬入前に気をつけることは?
A. 前日までに切り込みを入れ直し、深めの水で休ませておくと、本番までコンディションを保ちやすくなります。
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